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た行

ダグラス・ラシュコフ/Douglas Rushkoff

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ダグラス・ラシュコフは、サブカルチャー寄りのライターというよりは、 アジテーターと言った方がいいだろう。

その著書『サイベリア』では、サブカルチャーとニューエイジ思想を取り混ぜて、 人の進化について一席ぶってみた。 また、『ブレイク・ウイルスが来た!!』では、ミームでメディアを語ってみせる。

本人がどれくらい真面目にこれらを信じているかはともかくとして、 そのアジテーションは小気味よい。

橘総合研究所

会社名からすると、一種のシンクタンクのようである。 知られている範囲では、ハイエンドな NAVI の販売、次世代プロトコルの開発、 生物学的研究などを行なっている。 また、 PlayStation 版では、精神医学の分野の研究も行なわれている。

Wired の神、デウスを自称する英利は、ここの研究員で、第 7 番目のプロトコルの 開発を行なっていた。 また、黒の男たちを雇って、 lain の監視や、ナイツの始末を行なわせた 黒沢の所属も橘総研だった。 更に、玲音を生み出す元になった人工リボゾームの技術を開発したのも橘であり、 玲音の家族を用意したのもおそらくは橘である。

そう考えると、一見、橘は英利らと敵対しているようにも見えるが、 実はより巨大な見えない力によって、 背後からすべてを操作していたようにも思える。

PlayStation 版では、幻覚に悩まされる玲音がカウンセリングを受けるために 連れてこられたのが橘総研である。 カウンセリングには研究員の柊子があたることになった。 最初は、徐々に成果の上がっていたように見えるカウンセリングも、 柊子の崩壊や、玲音のクラックに伴い異常な事態を迎えることになる。 ここにおいても、あるいは橘がすべてを裏から操っていたように思えるふしがあり、 アヤシイ企業であることは間違いない。

タロウ

サイベリアに出入りしている小学生 3 人組のうちの一人。 コンピュータに詳しい。

ナイツには、正規のメンバー以外にも、サブのメンバーがいるらしく、 タロウはその一人だった。 タロウはナイツからの指示で、玲音の周りで、様々な出来事を起こしていたらしい。

地球暗合制御局/ECCO/Earth Coincidence Control Office

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ジョン・C・リリーが、アイソレーション・タンクの実験中に、得たヴィジョン。 なお、 Coincidence は「暗号」ではなく、隠された偶然の一致を表す「暗合」である。

このとき彼が見たヴィジョンは『サイエンティスト』に詳述されている。 それは、リリーは、自分が地球外の高度に進化した意識体によって 送り込まれた使者であり、 彼らがリリーの成長のために、様々な出来事を「暗合」として起こしているという ものだった。

地球規模のニューラル・ネットワーク

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個人個人がニューロンであり、これが地球という脳のニューラル・ネットワークを 形成し、人の数が 1010 なるマジック・ナンバーの臨界値を越えると、 地球に惑星規模の意識、ガイア・フィールドが形成されると言ったのは、 ピーター・ラッセルだった。 しかし、この話は、あまりに「100 匹目のサル」的過ぎると言えるだろう。 人は世界で増え続けているが、ガイアの目覚める気配はない。

ニューラル・ネットワークとは、コンピュータ・サイエンスの世界では、 簡単なニューロンのモデルによって、神経システムをエミュレートするような 学習のモデルである。 このモデルでは、ニューロンは複数の入力端子と、一つの出力端子を持ち、 入力のパターン応じて何らかの出力を出す。 ニューロン同士は、シナプスでつながれており、入出力がこのネットワークを 伝搬する。 そして、ある入力のパターンに対し、出力を見ながら、望んだ動作をするように シナプス結合の強さを変更していくことで、学習が可能になる。

デウス/Deus

Deus とは、神のことを言う。

英利は、第 7 世代目のプロトコルに細工をし、肉体を捨てた後は、 Wired の神として、デウスを名乗った。

玲音を Real World に造り出したり、ナイツを操ったりして、 Wired と Real World の境界を破壊し、本当の神になろうとしていたらしい。

テッド・ネルソン/Ted Nelson

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現在、慶応 SFC の客員教授である、コンピュータ理想主義者テッド・ネルソン。

1974 年に「コンピュータ・リブ / ドリーム・マシーンズ」なる夢想者丸出し の本で彼が語ったのが、リンクされた電子記録型テキスト、 すなわち WWW でおなじみのハイパーテキストである。。 ただし、ネルソンのハイパーテキストは、 HTML で書かれた文章に比べると、 他人のテキストにユーザが勝手に個人的にリンクを付加できるなど、 機能的にはかなり上である。

このハイパーテキストを分散型の処理システムで実現しようとしたのが Xanadu である。 Xanadu については、『リテラリーマシン』で詳しく紹介されている。 簡単に言えば、 Xanadu システムでは、データに自由にアクセスでき、 そのデータを改変することもできるし、リンクを作成したり、自分のドキュメントに 取り込むこともできる。 また、改訂の過程も随時記録され、任意のバージョンを呼び出すことができる。 自由にアクセスできると言ったが、実際には著作権の問題があり、 リンクやダウンロードに対してビット単位で使用料が引き落とされる。 これらの Xanadu システムが稼働するサーバは、 UNIX のようなものが想定されており、 複数のサーバが分散的に処理を行なう。

ところで Xanadu プロジェクトは、最近、さっぱり威勢のいい話を 聞かない。 むしろ、 Xanadu のできの悪いデュープとも言うべき、 WWW の方がずっと 元気である。

Real World で成功する秘訣は、わかり易く単純なヴィジョンと、潔い妥 協の精神なのかもしれない。 ネルソンの名は確かに一応歴史に刻まれはしたが、 CERN(当時)のティム・バー ナーズ=リーの名の方が、ハイパーテキストと共に、我々の記憶に残ることにな るのだろう。

実は PlayStation 版の lain は、ゲームではなく、簡単なハイパーテキストである。 プレイヤー(?)は、 Web でページをブラウズしたり、リンクを辿るように、 散らばった音声、画像などのデータを見ていく。 そこで語られるのは、テレビ版以上に毒電波度の高い陰惨な物語である。 なお、このソフトウェアは、ナビゲーション・システムがあまりに鈍重であるという 欠点を抱えていることを断っておこう。

DUKe

ナイツのメンバーの一人。 ちらかったアパートに住む、太った男。 自分がすごい人間だと思っているらしい。 ライトを口にくわえて死んでしまう。 net news に流れた名簿では、 CAT、まるねこ以外の画面に 現れた日本名は Iijima Takato だった。 あるいはこれが彼の名前なのかもしれない。

デュープ/dupe

duplicate(複製する)の略。 layer: 08 RUMORS で、レインの顔をしたデュープが多数登場した。 レインはこれを「不出来なデュープ」と表現した。

to Be continued.

BeOS のロゴ。

Be 社は、 Apple 社を追われた、ジャン=ルイ・ガセーが創った。 社名の由来は、元 Apple 社の社員だった共同創設者のスティーブ・ サコマンが、いい名前を探すと言っておきながら、辞書で B の項目までしか 調べなったことだという。

BeOS は、マルチメディアに本格的に取り組んだ OS で、 当初 MacOS と同様に Power PC の上で動くものだった。 BeOS は完全に 1 から新たに作ったもので、 MacOS と異なり本格的なマルチタスクを実現している。 一時は、 Copland のコケた Apple 社の次期 OS として検討されたが、 MacOS で動いていたアプリと互換がないために見送られた。

現在、 BeOS は、 Macintosh と Intel 社のチップの上で動かすことができる。 最近は、プリインストールされたマシンが発売されたりしている。

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